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四 国 の 斜 面 災 害 (愛 媛 県)
 [愛媛県の斜面災害]
  • [地質構造概要]
     愛媛県の地質は北から順に領家花崗岩類、和泉層群、三波川帯、御荷鉾緑色岩類分布域、秩父帯、四万十帯が東西方向に帯状に分布している。斜面災害はそれぞれの地質帯で特徴的な形態をしている。以下に簡単に示す。
  • 領家花崗岩分布域
     松山市の中心部に位置している城山の半分は花崗岩である。松山から今治市から更に島嶼部にかけて花崗岩の風化したまさ土が広く分布している。まさ土は透水性が良く、地表から順に風化していくので、降雨時に表層崩壊が発生しやすい。幸い愛媛県ではまさ土地域での大災害は起こっていないが、呉や小豆島、六甲などのまさ土地帯では豪雨による斜面崩壊により歴史に残る大災害を引き起こしている。なお、平成13年6月19日の松山豪雨では、松山近辺の密柑山を中心に200箇所を越える斜面崩壊が発生したことは記憶に新しい。
  • 和泉層群分布域
     和泉層群は層理面の発達した堆積岩である。切土による層理面すべりが多く発生する。また、中央構造線に近いことから断層運動の影響による地すべりも発生している。中央構造線直上に位置している伊予三島市的の尾ではトンネル掘削に伴い地すべりが発生し、稀にみる難工事となった。これにも断層運動と熱水貫入粘土とが関与している。
  • 三波川帯ならびに御荷鉾緑色岩分布域
     三波川帯ならびに御荷鉾緑色岩分布域は日本でも有数の地すべり発生地帯である。三波川帯では片理面が発達した黒色片岩や緑色片岩などが広く分布している。本地域で地すべりが多発するのは、造山帯にあり急斜面が多いという地形学的要因、断層運動による破砕帯の存在や片理面の発達などの地質学的要因、風化生成鉱物がマイカ系やクロライトなどのせん断強度の小さいものであるという鉱物学的要因などによる。
     御荷鉾緑色岩は海底火山起源の変成岩で緑泥石や輝石などを多く含み、美しい緑色状を呈している。御荷鉾緑色岩類は風化して粘土化しやすい上に、クロライトを主成分としており粘土の強度は非常に小さい。三波川帯と比べて山容はなだらかであるが、地すべり発生密度は圧倒的に大きい。
     代表的な地すべり地としては三波川帯では千町地すべり(西条市)、御荷鉾帯では沢渡地すべり(美川村)など、100ha前後と非常に大規模なものがある。
  • 秩父帯
     秩父北帯には片理構造の発達した岩石が分布しており、数は多くないが地すべりを起こしている。北帯以外では斜面災害は少ない。
  • 四万十帯
     四万十帯には主に砂岩と頁岩の互層からなる堆積岩が分布している。四万十層群では地すべりはあまり発生していないが、集中豪雨により斜面崩壊が時として起こっている。特に、1998年は春先からの長雨で国道ののり面に多くの崩壊が発生した。